第19号

コ ー エ キ 通 信

2014年 春号

  発行人:中島

水道水水質基準に亜硝酸態窒素が追加されます

平成26228日に出された「水質基準に関する省令等の一部を改正する省令」(厚生労働省令第十五号)により、 平成2641日から水道法に基づく「水質基準に関する省令」(平成15 年厚生労働省令第101 号)の一部が改正され、亜硝酸態窒素に係る基準が追加されることになりました。これは内閣府食品安全委員会による亜硝酸態窒素の発がん性評価において、耐容一日摂取量(TDI)15μg/kg 体重/日という数値が示されたことを受け、水道水摂取における評価値が設定されたものです。

亜硝酸態窒素は、生活排水や窒素を含む肥料、動物の排泄物や生物の死骸などから、その分解に伴って発生する物質です。これまで硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素として基準が設定され検査されていたものと同じ物質ですが、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の基準が10mg/Lであったのに対して、新たに設定される亜硝酸態窒素の基準は0.04mg/Lと大きく引き下げられることになります。亜硝酸態窒素の追加後にも、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素の基準はそのまま残ります。

「水道法施行規則」(昭和32年厚生省令第45号)に規定される水道水の検査頻度は、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素と同様に年4 回以上となっていますが、検査結果が3 年以上にわたって基準値の1/5 以下となった場合には 年1 回以上、基準値の1/10以下となった場合には 3年に1 回以上に省略することができます。

またこの水質基準設定に伴って、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則」(昭和46 年厚生省令第2 号、いわゆるビル管法)についても、平成2641日より6ヶ月に1度の水質検査項目に亜硝酸態窒素が追加されました

コーエキでは亜硝酸態窒素の追加に対応して、すでに検査体制を整えています。分析は硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素と同様にイオンクロマトグラフ法にて行いますが、これまでより微量の分析となるため、今まで以上に精度管理が要求されてきます。弊社はこれからも皆様にご信頼いただけるデータを提供してまいります。

 

本当に減ったの? 御神渡りの話

 この冬は年明けから寒い日が続き、諏訪湖も一時広く氷が張りましたが、1月下旬に寒気が緩んだことですっかり溶けてしまいました。2月には寒い日が続き、記録的な大雪も降りましたが、日中温暖な日も多く、全面結氷には至りませんでした。、このままいくとこの冬、御神渡りは見れずじまいになってしまうでしょう。

 高齢の方からはこのような話を聞きます。「昔は人がくぐれるくらい大きな御神渡りができた」「氷屋が大きなのこぎりで諏訪湖の氷を切り出していた」「凍った湖面で諏訪郡のスケート大会が行われた」などなど。今日ではとても考えられないようなことばかりです。また上諏訪で諏訪湖周辺に温泉を供給している原湯の一つ「七ツ釜」。その名前は諏訪湖の結氷時に、湖底から湧き出た温泉によって7つの釜穴ができることに由来しています。しかし現在ではこのような風景を見ることは少なくなりました。

では果たして本当に御神渡りの出現は少なくなったのか。ご存知の方もいるとは思いますが、ここで改めて過去の御神渡り出現に関する文献を紐解いてみました。

 

 

 

右の表は1600年以降100年ごとに、御神渡りが出現しなかった年数をまとめたものです。これを見ると明らかに御神渡りが出現しない年が近年増えていることが分かります。1900年代が最も多くなっているのですが、その中でも19001949年は5回、19501999年は23回となっており、御神渡りの出現回数が戦後急激に減っていることが分かります。

原因はいくつか考えられますが、諏訪湖や周辺河川の水質の変化、湖岸の人工化、世界的な規模での温暖化も当然関わっているでしょう。人間の営みで自然の風物詩が失われていくというのは、とても耐え難いものがあります。

 

(参考文献等)

米山啓一 「諏訪の御神渡り」 昭和63

諏訪市博物館 「過去30年間の御渡り拝観式一覧表」 平成24

 

 

御神渡りが無かった年数

 

 

1600年代

1回 

 

1700年代

10

 

1800年代

11

 

1900年代

28

 

2000年以降

8

 

 

 

 

 

 

 

 

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建築物飲料水水質検査業 長野県4水第17