第23号

コ ー エ キ 通 信

2015年 夏号

  発行人:中島

フタル酸エステル類が2019年よりRoHs指令の規制対象となります

フタル酸エステルと言えば、すぐに消しゴムを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。電化製品から生活雑貨まで、主としてプラスチック製品の可塑剤などの用途で幅広く用いられている物質です。1990年代には内分泌攪乱物質(いわゆる環境ホルモン)として問題視され、2002年には厚生労働省から、フタル酸エステル類の一つであるDEHP(フタル酸ジ2-エチルヘキシル)を含むポリ塩化ビニルを、食品用の器具や容器包装、おもちゃに使用することを禁止する通知が出されました(食基発第0802001号「食品、添加物等の規格基準の一部改正について」平成14年8月2日)。

RoHs指令では、一部製品を除き2019722日から規制されることになりました。制限される物質はDEHP(フタル酸ジ2-エチルヘキシル)、BBP(フタル酸ブチルベンジル)、DBP(フタル酸ジ-n-ブチル)、DIBP(フタル酸ジイソブチル)の4物質で、0.1wt%(重量比)を上限としています。製造業界ではこれを事実上の使用禁止と受け止め、代替材料が模索されています。また一方でサプライチェーンの上流において、コストダウンなどの目的で勝手に材料が変更され、フタル酸エステルが混入してくることも懸念されています。いずれの場合にもフタル酸エステルの混入を確認するためには、簡易的な測定方法はなく、精密な分析が必要となります。

弊社では環境ホルモン問題以来、フタル酸エステルの分析に対応して参りましたが、これからも引き続き皆様のお役に立てるよう努めてまいります。

 

 

水域のあらたな環境基準設定の動き

 

 環境省の専門委員会ではこれまでも様々な項目の検討がなされ、記憶に新しいところでは、河川や湖沼の水生生物保全環境基準としてノニルフェノールが追加されました(「水質汚濁に係る環境基準についての一部を改正する件の施行等について」環水大水発第120822001 号)。そして現在、検討が行われているのは底層溶存酸素量および沿岸透明度です。

 溶存酸素量については、これまでも河川や湖沼で、その清浄度に応じた類型別に基準値が設定され、自治体などによって測定、監視されてきました。目下検討されている底層溶存酸素量は、これまで測定されていたような河川や湖沼の表層ではなく、今まで把握されていなかった湖沼や海域の底面における溶存酸素量です。底層溶存酸素量は水質の悪化や水域周辺における自浄機能の低下、人工的な底面掘り下げ等によって低下することがあり、結果として水生生物等の健全な生育を妨げることになります。

 また沿岸透明度については、しばしば河川、湖沼などで測定が行われている透視度(100cmまで)とは若干趣旨が異なり、もっぱら深さ方向での清澄度合いを見るものです。透明度が下がると水域の深部で光合成をおこなう水生植物の生育が悪化し、ひいては水生生物の減少、水質浄化機能の低下などを招くことになります。

 底層溶存酸素量、沿岸透明度のいずれも、これまで水質改善の指標とされてきたCODや窒素、リンなどの項目よりも、直感的に水環境の状態を理解しやすい項目として挙げられたものです。今後こうした基準が設定され、測定されることで、より多くの人が水質の悪化や改善を「実感できる」ことが期待されます。

 

 

 

油断大敵!? キノコとの付き合い方

 

キノコといえば秋の味覚のイメージが強いと思いますが、夏山にも多くの食用キノコがあります。怖いのは食用に適さないキノコも多いことです。

右の写真は私が先日地元の山中で多量に採取したキノコです。一見肉厚でカサの裏は網目、香りもまずまずで食欲をそそられたのですが、図鑑で見るとよく似た毒キノコもあるので油断できません。結局専門家に聞いたところ、モウセンアシベニイグチという近年登録されたばかりの種類のキノコとのことで、食用に適すかはよく分かっていないけれど、近縁種に毒を持つものがあるので食べない方が無難、という答えでした。

キノコは種類の多さに加え、菌類だけあって変異も多いそうで、やはり見慣れないキノコにはうかつに手を出さない方がよさそうです。

 

 

 

 

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計量証明事業長野県登録第環境5号・45号・68

水道水検査厚生労働大臣登録第69

作業環境測定機関登録20-3

土壌汚染状況調査指定機関 環2003-4-1002

建築物飲料水水質検査業 長野県4水第17